国立新美術館

大口★笑空氏の独り言
~オオグチホシエソシノヒトリゴト~

オオグチホシエソは、インド洋の深海1000メートルに棲む、体長10センチほどの深海魚。赤外線による発光器をもつ。タケシがアトリエへの途上、ふらっと立ち寄ったコンビニで買った「深海の変な生き物図鑑」を眺めたとき、ページの向こうから声が聞こえてきたのだ。

東北大震災を契機として始まった、人類との稀人(まれびと)シリーズ7作目。深海魚の造形を被り、神がかりして舞う。オンサイトでは、観覧者も一緒に舞う。2014年からは、音楽で空間を造形するサウンドクリエーター・蔭山翔とのコラボで、深海魚の魂を口寄せる。

美術評論家 ワシオ・トシヒコ

不思議、面白い、どうして。
これらの要素が揃わなければ、現代の芸術とは言えないというのが、私の持論。
作品では常に、頭を刺激する知性と感覚の電磁波が通っていなければならない。
それには色彩がカラフルで、形状もあたりまえでない方がベタ~だろう。
“タケシ彫刻” は、こうした条件を全て満たしている。

美術家 小川猛志

東京芸術大学 彫刻科 大学院 修了
日本美術家連盟 会員
公募団体 創型会 元運営委員
公募団体 汎美展 会員
美術団体 表現者たち展 代表メンバー
美術団体 LinkRing展 代表メンバー
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

美術家・小川猛志は東京芸大在学中からひたすら、現代にあるべき造形を求めてきました。
学生時代は永遠に変わらぬものとして石の彫刻を作っていました。大学院修了後は、形は宇宙の流れの中の瞬間の一形態ではないかと感じ、焼き物によるオブジェを作りました。その後、もっと根源的な形を追い求めて、全てのものは光であり色彩であると考え、色からできる形を探していた時期もありました。形を感じることとは何かと問い、作品を作った時もあります。人間世界に危機を感じて作ったこともあります。2011年3月11日、東日本大震災と大津波の後は、地球が生きていることに気が付き、深海魚たちの言葉を代弁した舞を演じています。これは、空間軸(立体造形物)の中に時間軸(舞)を入れることで作品をより存在に近づけようとするものです。

タケシのアトリエ